今回の発表により、AWS Elastic BeanstalkはRubyのアプリケーションをサポートできるようになりました(RailsやSinatraも可能です)!さらに、Amazon Virtual Private Cloud (VPC)の中でElastic Beanstalkを起動できるようになりました。ではまずRubyサポートからみていきましょう。
Rubyサポート
Elastic Beanstalkはこれまでサポート対象のプラットフォームを数多く追加してきており(Java、PHP、Python、.NET) 、今回Rubyのサポートが加わりました。もし皆様がRubyの開発者でしたら、これでアプリケーション開発によりフォーカスすることができます。Elastic Beanstalkに、サーバーの配備やデプロイメント、監視やスケーリングといった詳細作業を任せることができるのです!
Elastic Beanstalkは、PassengerでRubyアプリケーションをホストしています。つまり、ローカル環境で開発しテストしたアプリケーションコードに変更を加えることなく、Elastic Beanstalk上にデプロイが可能です。詳細に関しては、Elastic Beanstalk Developer Guide(英語)をご参照ください。RailsやSinatraの利用方法についても含まれています。
ここからは、Elastic Beanstalkを利用したことが無い方のために、簡単にElastic Beanstalkの特徴をみていきましょう(Beanstalkそのものの詳細については、マイスターシリーズの日本語資料も分かりやすいと思います)。
まず、Gitとeb(と呼ばれるコマンドラインツール)もしくはAWS Management Console(Webコンソール)を用いてElastic Beanstalkを利用することができます。最初のステップで、下記のランタイプ環境からお好きな環境を選択できます。

YAMLの設定ファイルや、Gemfileを用いて、Elastic Beanstalkの環境をカスタマイズ することもできます。
スナップショットログ(snapshot logs)を利用すれば、S3上に保存された各サーバーのログファイルにアクセスしてデバッグに用いることも可能です。
また、アプリケーションの健康状態を モニタリング して、その情報を基にオートスケーリングを行えます。
さらに、Elastic Beanstalkのデータベースサーバーとして、Amazon RDSを統合することができます。
VPC統合
今回の発表により、Elastic BeanstalkのアプリケーションをVirtual Private Cloud (VPC)の中で起動することができます。VPCを用いると、プライベートなバーチャルネットワークをクラウドの中で自在に定義できますので、オンプレミス上でのネットワーク構成を活かしてクラウド上での構築が可能になります。また、社内ネットワークの中からVPN接続を用いてそのプライベート空間にアクセスすることも可能です。これにより、業務アプリケーションも含めた沢山のアプリケーションをElastic Beanstalk上で動かすことができるようになりました。例えば、イントラネット内の障害報告ツールや、業務報告アプリケーション、経費精算アプリケーションなども、Elastic Beanstalk上で動かせるでしょう。
参考までに、こちらがネットワークのトポロジー図になります。Elastic BeanstalkはVPCの中の点線の内部で動作することになります。

VPC内でElastic Beanstalkを起動するには、まずVPCをセットアップして、そのVPC IDとサブネットIDをElastic Beanstalkに入力するだけです。あとは自動的に、VPCの中でアプリケーションがデプロイされます。
VPC内のElastic Beanstalkについての詳細は、Elastic Beanstalk Developer Guide(英語)をご参照ください。また、CloudFormationテンプレートの例も用意していますので、これを用いればElastic Beanstalkを起動する際に用いることのできるVPCを簡単に設定することができます!
玉川憲 (twitter: @KenTamagawa, Facebook)