2012年の8月にEBSプロビジョンドIOPSを発表した際(ブログ記事, EBSのホームページ)、徐々に設定できるIOPSの値を大きくできるようにしていくつもりであるとお伝えしていました。
AWSチーム内での時間の流れは早いもので、本日より1EBSあたり、2,000 IOPS(今までの2倍)まで指定できるようになりました! これはハイエンド向けの15,000 RPMのディスクドライブに期待できる性能と比べて一桁大きいIOPS性能になります。より高い性能を手にいれるために複数のボリュームでRAID構成を組もうとした場合、従来より少ないボリュームで希望の性能を手に入れることが可能になります。
おさらいしましょう。プロビジョンドIOPSボリュームは必要とするスループットのレベルを設定することができます。EBSはそのボリュームを使い続ける間、一貫して希望のパフォーマンスをお届けします。より高いパフォーマンスをお求めの場合、複数のプロビジョンドIOPSボリュームを束ねてストライピングすることができます。これにより、数千IOPSの性能をもつ論理ボリュームをEC2上のアプリケーションに提供できます。これらのボリュームは一貫したパフォーマンスを提供し、データベースストレージ、トランザクション処理、および他の重いランダムI/Oが発生する処理に適しています。最大限のパフォーマンスを発揮し、EBSボリュームに設定されたIOPSをフルに使い切るために、EBSに最適化されたEC2インスタンスとして起動することができます。EBS最適化インスタンスはEBSへの専用スループットが割り当てられています。現在m1.large、m1.xlarge、m2.4xlargeのインスタンスタイプがEBS最適化インスタンス(EBS-Optimized インスタンス)として利用可能です。m1.largeインスタンスはEBS間を500 Mbit/secでデータ転送することができ、m1.xlargeとm2.4xlargeインスタンスは1000 Mbit/secで転送可能です。これは追加のスループットであり、インスタンス上ですでに利用可能な他の汎用ネットワークのスループットに影響を与えません。
SAP社では、AWS上のSAP HANA(リアルタイムデータプラットフォーム)をホストするためにEBSプロビジョンドIOPSを使っています。彼等の話によると、テストシナリオにおいて、プロビジョンドIOPSを使って20,000 IOPS以上の性能を叩きだしたそうです。さらにプロビジョンドIOPSを使うことで、パフォーマンスを予測できることにも満足しているとも言っています。
Parseのチームは先月MongoDBデータベースをプロビジョンドIOPSのEBSボリュームに移行しました。彼等のブログ記事を見るとわかるとおり、エンドtoエンドのレイテンシが半分になり、MongoDBの書き込みロックにより発生していた周期的なレイテンシスパイクが起こらなくなったそうです。ParseのCTOであるKevin Lacker氏は次のように話しています。
アマゾンのプロビジョンドIOPSにより、MongoDBのクエリスピードは60%以上改善し、クラスタでのレイテンシスパイクが劇的に減少しました。新しい2000 PIOPSボリュームには非常に期待しています。
MongoDBの開発元である10genもEBSプロビジョンドIOPSを使っていると聞いています。10genはひとつのインスタンスで20,000 IOPS以上の性能を持ったMongoDBを多くのお客様向けに運用しています。これらのケースにおいて、10genは高い性能と一貫したパフォーマンスを提供するEBSプロビジョンドIOPSは非常に適していると語ってくれました。
もしプロビジョンドIOPSについてまだ勉強中である場合は、この短い(しかし非常に有益な)ビデオを是非ご覧ください。
また、録画されたウェビナーもありますので、EBSを使ってハイパフォーマンスなデータベースをEC2上で運用しようと考えている方は是非ご覧ください。
最後にEBSプロビジョンドIOPSの性能を測定、評価するために最適なツールやテクニックについては、EBS Provisioned IOPS Benchmarking Guideが参考になるかと思います。