以前にt2.nanoをアナウンスしました。より大きなサイズ(t2.micro, t2.small, t2.medium, t2.large)と同じように、処理能力のベースラインを提供し、未使用サイクルを貯めて必要な時にバーストできます。
以前のポスト(新しいT2.Largeインスタンス)に書いたように、このモデルは私達のお客様にとって非常に人気があります。実際に私達がこの数日間に調査して分かったことですが、96%以上のT2インスタンスが常にCPUクレジットが余っている状態でした。つまり、みなさんは必要以上に多い処理能力に対して支払っていたことになります。1年もしくは3年のリザーブドインスタンスを支払った場合は、この価格(後述しますが)の差は更に大きくなります。
t2.nanoはトラフィックの少ないウェブサイト、マイクロサービス、開発・テスト環境に使われることを想定していますし、費用効果を計測する車両にも使えると期待しています。さらに、トレーニングや教育用途もあります。
仕様
t2.nanoインスタンスは 512MiBメモリと 1 vCPUを備えており、32/64bitのOSとアプリケーションが動作可能です。EBS暗号化と、最大2つのElastic Network Interfaceをサポートします。
t2.nanoは、24時間の平均CPU利用率が5%以下の場合、高周波数のIntel CPUコアの最大性能を利用できます。CPUクレジットが残っている間、必要な時にCPUコアの最大性能を利用でます。新しく起動したt2.nanoは30CPUクレジットを保持しており、1時間毎に3クレジットを受け取り最大72CPUクレジットまで蓄積できます。つまり、各インスタンスは一気に連続して最大72分間、最大コア性能でバーストできます。
t2.nanoインスタンスでLinuxまたはWindowsを起動できます。しかし、私達のデータではWindowsインスタンスはLinuxインスタンスよりも多くのCPUとメモリを消費しますので、どのインスタンスサイズが皆様のアプリケーションに最適かどうかを決めるために、テストと評価をしたいと思うでしょう。Windows GUIが不要なら Server Core AMIも評価対象になるかもしれません。
EC2価格とサンプル設定
t2.nanoインスタンスの価格は各リージョンのt2.microの半額となります。以下が価格例となります(詳細はEC2料金ページを参照ください):
リージョン | 価格/ 時間(オンデマンド) | 価格/ 月(オンデマンド) | 1年リザーブドインスタンス/月 | 3年リザーブドインスタンス/月 |
米国東部(バージニア北部) | $0.0065 | $4.75 | $3.125 | $2.10 |
米国西部 (オレゴン) | $0.0065 | $4.75 | $3.125 | $2.10 |
欧州(アイルランド) | $0.0070 | $5.11 | $3.42 | $2.31 |
アジアパシフィック(東京) | $0.0100 | $7.30 | $5.25 | $3.44 |
南米(サンパウロ) | $0.0135 | $9.85 | $5.67 | $4.17 |
トラフィックの少ないウェブサイト(月間最大25,000ビジット程度)をt2.nanoで稼働させた時の全システムの月間コストを見てみましょう。この例の負荷を捌くには十分な設定です。
インスタンスに加えて、ストレージとして8GB EBS SSDボリュームと、Amazon Route 53でドメインを管理する設定とします。下りネットワークトラフィックとして2GBを含めます。つまり、このコストはAWSでウェブサイトを動かす全コストとなります。以下、米国西部(オレゴン)での月間コストです:
AWS Service | 設定 | オンデマンド | 1年リザーブドインスタンス | 3年リザーブドインスタンス |
EC2 | t2.nano | $4.75 | $3.17 | $2.11 |
EBS Volume | 8 GB SSD | $0.80 | $0.80 | $0.80 |
データ転送(アウト) | 2 GB | $0.09 | $0.09 | $0.09 |
Route 53 | 1 ドメイン + 25000クエリ | $0.51 | $0.51 | $0.51 |
合計 | $6.15 | $4.57 | $3.51 |
想定よりも成功して10倍多くのvisit数になったとしても、追加のデータ転送費用は1ドル以下(正確には0.81ドル)です。小さなウェブサイトを稼働させて、様々なコストに気をつけておきたいなら、請求アラームを作成することをお忘れなく。
簡単にスケールさせることで、より多くのトラフィックを捌いたり、より複雑なサイトやアプリケーションを稼働させたりすることができ、システムを始めるのに強力です。やがて、S3、Elastic Load Blancing, Auto Scaling, Amazon Relational Database Service(RDS)、AWS CloudFormationといったその他のAWSサービスを利用するように拡張できます。またT2インスタンスの他のサイズや、全てのEC2インスタンスタイプに変更することもできます。
私達のパートナーであるBitnamiは、数クリックでAWS上で使える、幅広いパッケージとアプリケーションを提供しています。とても人気のあるWordPress AMIはt2.nanoでの利用に最適化されています。このAMI以外にも多くのアプリケーションをAWS Marketplaceで探すことができます。
今すぐ使えます
t2.nanoインスタンスは本日より米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、米国西部(北カリフォルニア)、欧州(アイルランド)、アジアパシフィック(シンガポール)、アジアパシフィック(東京)、南米(ブラジル)、AWS GovCloud(US)リージョンで利用可能です。欧米(フランクフルト)とアジアパシフィック(シドニー)もすぐに利用可能になります。t2.nanoはAWS Elastic BeanstalkやAWS CloudFormationでも利用できます。
— Jeff; (翻訳は松尾が担当しました。原文はEC2 Update – T2.Nano Instances Now Available | AWS Official Blogです)