最近のWebアプリケーションやモバイルアプリケーションは、高いI/O性能を求めるものが増えてきました。ユーザーにカスタマイズしたリッチなデータをリアルタイムに保存、提供するためにできるだけ早く読み書きする必要があるのです。
本日の発表は、このようなご要望にお応えするために、高いI/O性能を求める高速なアプリケーションを稼働させることに特化した、新しいEC2インスタンスのタイプのファミリーを導入しました!特に、CassandraやMongoDBといったNoSQLデータベースをホストするのに非常に向いているでしょう。
ハイ I/O EC2インスタンス
この新しいファミリーの最初のインスタンスタイプは、ハイ I/O クワドラプル エクストラ ラージ (EC2インスタンスのAPIではhi1.4xlarge) インスタンスです。以下のスペックを持ちます。
- 8 仮想コア、合計で35 ECU (EC2 コンピュートユニット)
- HVM(ハードウェア仮想化)もしくはPVM(準仮想化)
- 60.5 GBのRAM
- 10 Gigabit Ethernet (クラスタープレースメントグループをサポート)
- 2 TBのローカルSSDストレージ(1 TBのボリュームのペアとして)
SSDストレージは、インスタンスのローカル側に存在しています。PVMの場合、120,000 ランダムリード IOPS (Input/Output Operations Per Second) 、10,000~85,000ランダムライトIOPSが期待できます(ともに4K ブロック)。HVMもしくはWindows AMIの場合、90,000 ランダムリードIOPS、 9,000~75,000 ランダムライトIOPSとなります。ちなみに、 比較のための参考情報として、15,000 RPMの高性能のディスクドライブの場合は、175~210 IOPSでしょう。
なぜ、ライトの場合にIOPSが変動するかというと、SSDは、いわゆるLBA (Logical Block Addressing)のスパンに依存しています。広範な場所に書き込む数が増えるにつれて、関連するメタデータをアップデートするために必要な時間が増えていきます。
SSDストレージは、インスタンスストレージと呼ばれ(EBSストレージと違い)、インスタンスを停止させるとデータは失われます。他のインスタンスタイプにおけるインスタンスストレージと同様に、このストレージはある程度の障害耐性があり、リブートをしてもデータは保たれます。しかしながら、定期的にAmazon S3にバックアップを取っておく必要があります。

このインスタンスは単独で立ち上げて使うこともできますし、プレースメントグループを作成し、複数のインスタンスを10 Gigabit Ethernetで接続して利用することも可能です。しかし、現時点では、複数のインスタンスタイプをまたがって(例えば、ハイ I/Oとクラスターコンピュート) 、単独のプレースメントグループで利用することはできませんのでご注意ください。
本日より、ハイ I/O クワドラプル エクストラ ラージは、 米国東リージョン - US East (Northern Virginia) - とヨーロッパ西リージョン - EU West (Ireland) - でお使い頂けます。そのオンデマンドインスタンスの時間料金は、$3.10と$3.41(各リージョン)となります。もちろん、リザーブドインスタンスもご購入頂けます。しかし現時点では、スポットインスタンスはご利用になりません。この新しいインスタンスタイプを東京リージョンを含む他のリージョンでも、今年度中に利用できるように計画しております。
さて、いかがでしょうか?AWSでは、皆様にご要望頂いたものを出来るだけ早く実現できますよう努力しておりますが、今回の発表は皆様のご期待に応えられたでしょうか?
解説ビデオ(英語)
EC2のプロダクトマネージャーでありDeepak Singhのインタビュービデオが下記から視聴することができますので、ご興味があれば是非ご覧になってください!