本日発表されたNASDAQ OMXのFinQloudは規制の強い金融業界のニーズを満たすために作られた金融業界向けクラウドソリューションです。FinQloudはAWS上に構築されており、 NASDAQは非常に厳しいセキュリティ、信頼性、そして堅牢性の要件を持つデータを安全に保護する環境を実現しました。
金融業界は非常に複雑なグローバル環境での規制の中ビジネスを運営しています。透明性を増す目的で新しいコンプライアンス規制が導入されると、NASDAQは金融アクティビティのより詳細なデータへアクセスを規制当局に対して提供しなくてはいけませんでした。これらデータのセキュリティ、ストレージ、管理、処理に関連するコストは増え続けています。FinQloudは金融業界のお客様向けに安全で、技術面での煩雑さを削減し、コンプライアンスへの支援、お客様が利益を上げる活動にリソースを注力できるような、業界特有のクラウド(コミュニティクラウドとも呼ばれます)を提供します。
FinQloudへの全てのコネクションは厳しい暗号キー管理システムを利用する事が必須になっており、これから数か月で利用可能な予定です。AWSに直接接続する前に、暗号キー管理システムはNASDAQ OMXのプライベートなデータセンターで配置されています。暗号化は、お客様からデータが来た段階でデータ保護のためNASDAQデータセンターで即座に実施され、その後AWSへデータが送られます。FinQloudはAWS Virtual Private Cloud (VPC)を活用して、完全に独立したネットワークレイヤを構築しています。保存されたデータはすべて暗号化されており、AWSから既に提供されているセキュリティ(詳細はAWSセキュリティセンター をご覧ください)に加えて更なる防護レイヤを追加しています。更に、FinQloudでは各お客様毎に隔離されたストレージコンテナにデータは配置され、またAWSへのネットワーク接続はDirect Connectによって専用線で結ばれています。
FinQloudの最初の2つのサービスは、Regulatory Record Retention (R3)とSelf Service Reporting (SSR)になります。
Regulatory Record Retention
Regulatory Record Retention (R3)はU.S. Securities and Exchange Commission Rule 17A-4で規定されているレコードのアーカイブと検索の要件を満たすブローカー・ディーラー間のストレージソリューションで、現状のノンクラウドなソリューションに比べ、R3は最大で80%ほどコストが低下します。R3はこれから数か月で利用可能になる見込みです。全てのデータは自動生成され、別箇のハードウェアデバイスに保存されたキーを使って暗号化されます。
R3がRule 17A-4の各要件にどのように満たすのか、さらなる詳細を少し見てみましょう:
インデクシング - R3は各顧客のファイルが保存されるときにそのキープロパティの保存とログを行います。R3でこのデータは運用、認証、そして保存されたデータの検索に利用する総合データベースの構築に使います。
監査 - R3は全てのファイルにおいて、全システムのアクティビティの詳細なアクセスログが提供するようにしています。収益からストレージへの保存、検索、廃棄(ファイルとして利用可能な生存期間の最後まで)に至るまでの各ファイルの完全な履歴が利用可能です。
データ品質 - R3はアップロードのプロセスの一環として、各ファイルのチェックサムの生成と保存が設計されています。その後、ファイルの変更や改ざんされたかどうかを保存されたチェックサムと新規に生成したチェックサムを定期的に比較する事を行います。
検索と復旧 - R3のお客様は、セキュアで最新のユーザインタフェースからインデックスと監査情報と共にファイルの閲覧、検索、ダウンロードを行うことが可能です。
Self Service Reporting
FinQloud Self Service Reporting (SSR)は、ブローカー-ディーラー様に対して保存された取引データに対して高速なオンデマンド検索や、付加価値のある分析を行って頂くことが出来ます。SSRは個別の、ユーザ生成のクエリに対して巨大なデータセットの処理に対して迅速かつ効率的にレスポンスを返すことが可能になります。
SSRはブローカー-ディーラー様に全てのトレードデータを1ロケーションに保存する事を可能とし、またパターンやトレンド、見識によってマイニングを行うことを可能とします。
最大のブローカー-ディーラー様はペタバイトオーダのデータ要求があります。SSRは最も要求が厳しいクエリを使った巨大データセットの分析もサポートできるように、FinQloudのスケーラビリティを活用しています。
以下の図はお客様のデータセンター、NASDAQデータセンター、AWSを結合して、R3はどのように動いているかを示した簡単な図です。
詳細はFinQloudサイトをご覧ください。